「HRイネーブルメントを支援する」BOXが行うスタートアップ特化の採用代行サービスとは
2022年10月、株式会社BOX(旧SEVENRICH GROUP転職エージェント)は、採用代行サービスの提供を開始しました。
これまで、人材紹介事業を通してスタートアップ企業の採用支援を行ってきたセブンリッチ。30以上の自社事業を運営するスタートアップスタジオとしての経営視点とHR領域の専門性をかけ合わせ、名だたるスタートアップ企業のパートナーとして支援を続けてきました。
では、なぜ今BOXが採用代行サービスをはじめるのか。
このnoteでは、採用代行事業の担当コンサルタントである角田と白木にインタビューを実施。採用代行サービスの開始の背景から具体的なサービス内容を聞きました。
そこで二人が口にしたのは「HRイネーブルメント」という言葉。その言葉には「スタートアップのために」と、クライアントの採用課題に深く向き合ってきた人材紹介事業発のサービスだからこその想いとロジックがありました。
スタートアップ企業の方、採用代行サービスの利用を検討している方に、ぜひお読みいただきたい記事です。
セブンリッチが行う採用代行。HRイネーブルメントの確立を目指すサービス内容とは
——今回セブンリッチがはじめた採用代行サービスの内容を教えてください。
白木:前提として、一般的にRPOと呼ばれる採用代行は、私たちが提供するサービス内容のひとつにすぎません。私たちの採用代行サービスは「HRイネーブルメント」の確立を目指し、HRに関わるすべての領域を支援します。
——HRイネーブルメント…?
白木:Enabalementとは、「有効化」や「使用可能性」を意味する英語です。近年、「成果を出す営業パーソンを育成するための仕組み」として「セールスイネーブルメント(Sales Enablement)」という言葉が一般的になり始めていますが、私たちはHR領域でも同様に「成果を最大限にするためのHRチーム作り」であるHRイネーブルメントを確立しようとしています。
——一般的な採用代行サービスとは何が異なるのでしょうか。
白木:採用に対するアプローチと担当範囲が異なります。
HRイネーブルメントは、成長企業が理想通りの事業成長を遂げるために、「“ヒト”を最大限活かす、全社を巻き込んだHRチームの実現」を目指すもの。
そのため、採用戦略を代わりに設計したり採用業務の一部を請け負ったりするだけでは足りない。一時的に成果があらわれたとしても、本質的な支援ではないと考えています。理想とする事業計画から逆算して、いま足りていないHRの要素を私たちが担いながら、そのノウハウの内製化を進め、社として強いHRチームを作っていく。それが私たちが行う支援内容であり目指すゴールです。
白木:HRイネーブルメントの確立のため、私たちが支援する内容は大きく以下の3つ。HRチームが抱える全ての業務に関してご支援が可能です。
事業計画に紐づく組織戦略の設計
採用戦略の設計
採用戦術の実行
現状の分析と理想の状態に到達するまでの課題をヒアリングし、企業課題にあわせて上記3つを組み合わせたサービスをご提供します。
「採用戦略の設計」では、採用ターゲットやペルソナの設計から競合調査、ブランディングの策定、候補者体験の設計、採用手法の選定などをサポート。
「採用戦術の実行」は、採用基準の策定やジョブディスクリプションの作成といった選考準備から、候補者対応、書類選考や面接、内定者フォロー、入社後のオンボーディングメニューの設計までご支援可能です。また、採用サイトやスカウトなど採用媒体の運用のほか、採用広報のための記事制作・SNS運用も委託いただけます。
——HR・人事領域に関わる業務を何でも委託できるのですね。
白木:はい。また、組織戦略設計を支援内容に含んでいるのが、HRイネーブルメントを支援する弊社ならではの特徴です。「そもそも、どんな人材をどれくらい採用すればいいの?」とお悩みの企業には人員計画の策定からご支援し、人材育成の仕組み作りや組織開発施策までも行えます。
組織開発にも取り組むのは、たとえ人を採用できても、受け皿である組織環境が整っていないと、社員のパフォーマンスがあがらず、最悪の場合、離職が起きてしまうため。組織開発では、MVVの策定やカルチャー浸透施策、1on1改善のためのフィードバックといった支援を課題にあわせて実行します。
企業課題にあわせて、HR・採用に関わる領域を上流から下流まで一気通貫で支援できる採用代行サービスですので、お困りのことは何でもご相談いただければと思います。
——たとえば「面接設計だけ依頼したい」など一部だけ依頼することは可能なのでしょうか?
白木:もちろんです。企業の課題が何なのかをヒアリングし特定したうえで、サービスを提案いたします。
「面接設計だけ」というスポットでの対応も「半年間伴走して、そのなかでHR領域を改善していく」という長期対応も可能ですね。企業の状況をみて適切なサービスを提案しますし、時期や金額にご要望があれば、それにあわせてサービスを設計することも可能です。
スタートアップを支援できる採用代行サービスがない。だったら僕たちが作ればいいと思った
——そもそもですが、なぜ今回「HRイネーブルメント」を支援する採用代行サービスをはじめようと思ったのでしょうか?
角田:至極単純で、多くのニーズがあったから。僕たちが人材紹介事業でご支援しているスタートアップ企業さんから「採用代行やらないの?」とよく聞かれていたんです。
その背景には、スタートアップ企業ゆえのHR領域の課題があります。人事が採用できない、定着しないといった課題がどこの企業にもある。企業の成長と比例して採用目標も高くなるがために人事に大きな負担がかかってしまうためです。
角田:そして、前提として、採用も組織開発も、人事だけで行っていけるものではない。スタートアップならなおさらです。経営層から第一線の社員まで巻き込んだ人事体制を社内に作ることで、理想通りの事業成長につながります。
ただし、そのような人事体制を内部だけで作り上げるのは難しい。そこで、採用コンサルティングや採用代行サービスが必要になるのですが、スタートアップ企業にとって、ベストな会社ってなかなかないんですよね。ひとりの人の存在が企業の命運をわけるスタートアップでは、採用戦略の設計はもちろん、書類選考や一次面接、スカウトを代行するにも、深い経営理解や事業理解を求められるから。
だから、採用コンサルや採用代行だけを行うような従来の企業では、クオリティが担保できないという現実がありました。だったら、スタートアップの事業運営に知見のある僕たちが、企業の組織・採用課題を一手に引き受けて、HRイネーブルメントの確立を支援するサービスを作ればいいと思ったんです。
——スタートアップのニーズや課題を受けて、採用代行サービスを立ち上げたんですね。
角田:はい。あと、HR領域のアウトソーシング化が進むと感じたのも理由のひとつ。
現在、大手企業が経営企画室を内部に作らず、コンサル会社に委託して新規事業を作っているのと同じことがHR領域でも必ず起こる。「人事のプロを採用するのは難しいから、人事のプロが集まったところにお願いすればいい」という世界観になってくると思うんです。そうなれば、いまは新しいものとして捉えられている採用代行や採用コンサルも、多くの企業が積極的に導入するようになります。
その時代が来るまでに、僕たちはスタートアップをしっかりと支えられる会社になっておきたいんですよね。スタートアップが、採用やHRの文脈で悩まないでどこまでも走っていける、経営や事業の後押しができるような「HRイネーブルメント」の確立を支える組織を作りたい。
僕たちがもつHRの知見を活かし、人材紹介と採用代行、採用コンサルを組み合わせて提供すれば、スタートアップの成長に寄与する支援ができる。そう思い、今回、採用代行サービスを開始しました。
人材紹介事業を行っているからこその強み「経営・事業へのリアルな知見」
——では、セブリッチが行う採用代行サービスは、他社と比べてどのような特徴や強みがあるか教えてください。
白木:まず、セブリッチの人材紹介事業「SRG転職エージェント」を母体としてはじまった、エージェント発の採用代行サービスというのが特徴です。
スタートアップ企業への人材紹介事業を2年半やってきて、採用文脈、HR文脈でノウハウを培い、スタートアップ企業への解像度を高めてきました。人材紹介事業を行うなかで僕たちが大切にしてきたのは「採用課題だけではなく、経営・事業課題からヒアリングすること」。HR全体の課題感から事業課題、組織課題までキャッチアップし、企業と業界の全体感を理解したうえで、人材紹介事業を行ってきたんです。
その結果、一般的な書類選考の通過率が30%といわれるなかで、私たちから紹介する候補者の書類選考通過率は74.3%を記録。内定獲得率も72.7%と確実に成果につながっています(2022年現在)
このように、多くのスタートアップ企業に入り込み支援するなかで、HR領域と経営・事業に関するリアルな知見が溜まってきました。ほかの成長企業で発生した採用課題とソリューションを知っている私たちが採用代行を行うからこそ、企業課題にあわせた本質的な支援が行えます。
——人材紹介事業で得た知見をもとに採用支援が行えるんですね。
白木:そもそも人材紹介事業は、クライアント企業の組織と事業を理解したうえで、企業に適した候補者を紹介し、採用してもらうことを目指すビジネスモデル。企業に適した候補者をスカウトし、選考をサポートするのがエージェントです。
このエージェントの業務は、人事の業務と重なる点も多い。エージェント・ヘッドハンターとしてやってきたことを、そっくりそのまま採用支援に活かせるのは強みかなと。
たとえば、「応募が来ない」「どんな人にスカウト送ればいいか分からない」「スカウトの返信率が低い」「応募はくるものの、内定承諾まで至らない」といった採用課題にはご支援できることが多いと思います。
角田:また、業務的なことで言うと、夜間土日対応できるのも業界的に珍しい特徴だと思います。
ほかの採用代行サービスだと、ビジネスモデル上、「面接代行できるのは18時、19時まで」「土日は書類選考の対応はできません」というところが多くて。採用代行を担当する人が業務委託やパート・アルバイト・学生インターンというケースもあるため、急な対応や柔軟な対応がしにくいんですよね。
ですが、スタートアップ特化の人材紹介事業をやっている僕たちは、そもそも夜間や土日にも稼働できる業務形態を整えてきたので、ある程度、柔軟に対応できる。「明日、面接調整したいです」「月曜日までに書類選考をお願いしたいです」というような即日対応ができるのは僕たちだからこそだと思います。
角田:柔軟な対応ができる体制を作ったのは、スタートアップ企業の採用における、スピードの重要性を理解しているから。事業が急成長するスタートアップでは、人材の要件定義も変化し続け、いま必要な人をいま採用することが求められる。土日の2日あけば、候補者の気持ちはいとも簡単に揺らいでしまう。候補者がほかの企業に決めてしまうまえに、必要な人材を必要なときに採用しなくてはなりません。
スタートアップのスピードにあわせて採用活動を支援できるのは、僕たちを選んでいただくひとつの理由になると思います。
人事業務をすべて代行できる、スタートアップ特化の採用代行
——ありがとうございます。最後に、セブンリッチの採用代行サービスをどんな企業におすすめしたいか教えてください。
白木:スタートアップ企業・成長企業です。ありとあらゆるスタートアップ企業のお役に立てると思いますが、それこそHR領域すべてを支援できるので、いわゆるシード期の立ち上がったばかりという企業には特に検討してもらいたいですね。
1人目の人事を採用できない、採用リスクがまだ取れないという企業には、人事業務をすべて代行できる弊社のサービスがフィットするのではと思います。
角田:くわえて、グロースしてきた企業、次のラウンド行くために多くの人を採用しなくてはいけない企業のお役にも立てると思いますね。僕たち自身、スタートアップスタジオとして事業を何個も運営しているので、どうスケールさせてきたかという知見をご共有できます。
人材紹介で得た情報と自分たちが多くの事業を作ってきた経験から、HR領域全般に知見を持っているからこそ、企業のフェーズや課題にあわせて支援できるのが僕たちの強み。「スカウト業務だけお願いしたい」という企業の方も「何が課題かさえ分からない」という方も、ぜひ一度お声がけください。
スタートアップスタジオを基盤とした、成長産業特化の「HRイネーブルメント」サービスを提供します
スタートアップ企業が理想通りの成長角度を遂げられるよう、私たちは、HRに関わる全領域を支援します。
会計事務所母体であり、VC・M&A・ファイナンス機能を持ち合わせたセブンリッチだからこそ蓄積されたナレッジと、スタートアップ特化の人材紹介事業で培われた候補者視点を忘れないマッチング精度を武器に「ヒト」の力で企業成長を支援。スタートアップに特化したHR支援で、貴社の成長をサポートいたします。経営・事業課題にあわせて、サービスをご提案させていただきますので、ぜひご気軽にご相談ください。
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