仕事をどう選べばいいのか?まず知っておくべき「社会構造・経済システム・個性の育て方」について
こんにちは、Seven Rich Group転職支援/スタートアップ人事支援事業部の角田です。スタートアップ企業に特化した転職支援を行っています。
事業部単位で月に数百人もの転職活動をサポートするなかで、納得感のある最良の選択をするためには、「社会構造・経済システム・個性の育て方に関する前提を知っておくこと」が必須だと感じるようになりました。
なぜなら、この前提が仕事選びの基礎になるからです。前提に対する認識が誤っていれば、転職してから「こんなはずじゃなかったのに」「求めていた場所と違う」と苦しむことになります。
社会と人間に対するインプットがあるかないかは、収入にも、成長にも、ひいては人生の満足度にも関わってきます。そのため、前提を知って地盤を固めてから、選択する必要があります。ちゃんと選び取るためにも、選び取ったという実感を持つためにも。
今日のnoteでは、その前提についてお話します。社会構造・経済システム・個性の育て方について。
前提. 社会と人間は不平等に作られている
仕事を選ぶうえで、まず理解しておきたいのが、社会のシステムです。
あなたはいま、この日本の社会に対してどんな印象を持っていますか?
誰もが等しく扱われる平等で公正な社会だと感じていますか?
それとも、努力が正当に評価されない不平等な社会だと感じているでしょうか?
いまの日本では、誰もが義務教育を受けられ、18歳になると選挙権を持ち、健康で文化的な最低限度の生活を保障されています。ただし、保障されている以上の機会や収入が得られるかどうかは、「個人」によって変わってきます。
また、「個人」を作り上げるのは、その人の才能や努力だけではありません。生まれた環境や通ってきたポジションなどの外的要因も大きく影響します。外的要因によって上手く才能が発揮できないと悩む人もいるでしょう。しかし、社会は各々の事情を考慮してくれません。ただ、その人が生む価値=結果だけを見ます。
それが資本主義社会です。
資本主義社会の「公平」
資本主義社会は、最低限の権利と「公平」な競争環境だけ整備し、そのなかでの配分は個人が争って決めていくというやり方です。ポジションや能力の差によって経済格差が生まれることを認め、「資本主義社会のやり方で頑張ったひとが報われることを『公平』」としています。
この資本主義社会では、人間を大きく2つに分類できます。
自分の時間を使って稼ぐサラリーマンと、他人の時間を使って稼ぐ資本家です。
どちらに所属するかによって収入の幅は大きく変わってきます。
日本の教育システムは、従順なサラリーマンを育成するように作られています。多くの人は起業を考えることもありません。
ただし、必ず資本家になるべきかといえば、そうではありません。サラリーマンと資本家それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらを選ぶべきかは個人の価値観によって異なるからです。
だからこそ、資本主義社会の構造を理解したうえで、自分自身で生き方を選ぶことが大切です。社会に飼いならされるままに思考停止し、成り行きのままに生きていれば本当に満足するのは難しいでしょう。
自分が選び取れる選択肢を知って、それぞれのメリットデメリットを見極めて、そのうえで判断してこそ、自分がした選択に納得感と覚悟が生まれ、人生があなたのものになります。
経済のシステムで決まる「収入」
そして、もう一つ考えるべきは経済のシステムとその構成要素です。経済のシステムによって、同じ行動量の人のなかでも収入に差が生まれます。システムを考えるうえで、注目すべき構成要素は、業界・職種・ポジションの3つ。
世の中には、利益が出やすい業界/職種が存在します。一方で、利益が出にくい業界/職種も存在します。そして当然、業界/職種の利益率は個人の収入に直結するものです。
得られる給与ないし収入には、業界特有の限界値があります。これは、その業界がどうやってお金を得ているのか、お金を得るためにどれだけの人が必要かなどが関連する箇所です。
また、社会のなかで稀有な能力が必要とされる職種ほど、またその職種の需要が大きいほど、収入は高くなります。逆も然りです。
そして、ポジションは、背負う責任の重さともいえます。背負う責任が重いほど、それに見合った収入が得られます。同じ業界、同じ職能でも、責任の重さで収入が変わります。
収入で仕事を選ぶときはもちろん収入は二の次という場合でも、選択の影響を把握するために、この業界・職種・ポジションの価値を判断すべきなのです。
ただし、業界や職種の価値を判断するときは、現在の状態だけでなく、将来どうなっているかという「未来の視点」を持つのも忘れずに。衰退し消失する業界や職種もあります。
◇
ここまで、社会や経済についてお話してきました。ここからは、人間の心理・欲求についてお話していきます。
資本主義社会のなかで自分が目指す生き方ができるか、希望の業界/職種/ポジションにつけるかは、個人が持つ個性=能力によって左右されます。
そして、その能力も、すべての人間に平等に振り分けられているわけではありません。
人間の不平等な「能力」
「人間が同じでない」のは、厳然たる事実です。運動神経も地頭も与えられるチャンスも個人によって異なります。
ここまで見てきたように、「せめて、最低限の権利とチャンスは公平に」というのがいまの社会です。不平等といえば不平等です。人によっては、というか多くの人は人生で一度は、この不平等さに絶望します。
ただし、人間を構築するのは、先天的な要因だけではありません。多くの場合、後天的な要因(成長環境や行動量)が人生を左右します。そうやって人生を作り上げていった人物は数多くいます。
自分の個性や特徴を強く認識し、育てることができれば、あなたの人生を切り開くための刀になります。
それが不平等でありながらも自由で多様な人間の強みです。
個性の育て方
では、個性をどう育てるべきか。
個性は、その人がどんな世界を見て思考し行動してきたかに依存します。見てきた世界はプレイヤーやマネージャーなどのポジションでも異なり、業界によっても大きく異なります。
誰もが異なる個性を持っています。その一つひとつに優劣はありません。しかし、知っている世界の「広さ」と「深さ」は、一種の差になるでしょう。より知っていることが多く、より考えられたうえで身についた個性のほうが、汎用性が高いうえに稀少だからです。
だから、個性を育てるたった一つの方法は、認識できる世界の範囲を拡張していくこと。
これはかなり時間を要します。
テレビを見る、本を読む、人から話を聞く。それだけでは世界は広がりません。それだけでは深みはでません。
自分自身で体験し、自分固有の経験として蓄積することだけが、世界を拡張していく手段です。そのために、さまざまな場所に行き、深く思考し、行動する必要があります。
そして、現在だけでなく、過去を振り返ること、未来を予測して経験を獲りに行くことも重要です。現在の自分を使って新たな経験を得つつも、過去にさかのぼって経験を磨き、未来を予測して次に得る経験を見定める。過去、現在、未来すべてに思考を巡らすことで、経験がさらに良質化されてゆき、個性が磨かれていくはずです。
あなたの固有の能力である個性が磨かれていれば、あなたはどんな場所にも行けるようになります。
選択の際、意識すべきたった一つのこと
社会の構造と人間の心理・欲求に関する前提を話していきました。これらを理解し、行動していけば、自分がどこに行きたいか見えてくるはずです。
しかし、前提を知るのはスタート地点であり、また、知ったとしても絶対の正解はありません。
だからこそ、選択する際に大切なのは、いまの自分より少し上のレベル、目指したい場所により近い場所に行くことです。最初、壁にぶちあたると予測できても、辛くなる未来が見えていたとしても、その場所のほうがあなたの実現したい人生に近いなら、未来の自分を信じて、少しでも高みに、少しでも目標に近い場所を選んでください。
個性も価値観も過去から形成されます。それらを大切にすることももちろん大切です。しかし、未来の自分を信じることのほうが重要です。この記事を読むほとんどの人にとって、これまでの過去よりこれからの未来のほうが長くなります。
いまの2倍3倍と生きていくことを考えると個性も価値観もまだまだアップデートしていってもいいはず。
あなたが何を大切にしていても——収入でも、成長でも、やりがいでも——いま以上の場所を目指して、自分を信じれば、その選択は必ず良いものになります。
社会の構造を理解して、人間の心理・欲求と向き合って、自分が生きたい人生を選択してください。
◇
「自分が目指したい場所が分からない」「自分が目指したい場所が見つかったけど、それにあった仕事がわからない」「まずは個性を育てたい」と思う方は、ぜひ一度お話しましょう。
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