目指すのは、ビジネスインフラ。誰も成し遂げたことのない大きな目標を掲げ、Sansanが今取り組むこと
営業DXサービス「Sansan」、名刺アプリ「Eight」を筆頭に、インボイス管理サービス「Bill One」や契約データベース「Contract One」など複数のサービスを提供するSansan株式会社(以下、Sansan)。2019年に東証一部(現:東証プライム)への上場を果たし、その企業規模とサービス内容から「成熟しきった企業である」と思われることが多いといいます。
しかしSansanは、上場企業でありながらベンチャー企業やスタートアップに匹敵する熱量とスピード感で大きな目標に立ち向かっています。今回は、Sansan株式会社のBill One事業部で働く北村さんに、Sansanの社風と働き方について聞きました。
上場企業の安定感がありながら、T2D3を目指すスピード感も味わえる
――改めて、Sansanの事業内容を教えてください。
Sansanは、働き方を変えるDXサービスの企画・開発・販売を行う会社です。100万件以上の企業情報を搭載し、あらゆる顧客情報の営業活用を実現する営業DXサービス「Sansan」、あらゆる請求書をオンラインで受け取り、企業全体の請求書業務を加速するインボイス管理サービス「Bill One」、契約書を正確にデータ化し、全社で契約情報を活用できるようにする契約データベース「Contract One」、価値ある出会いをタッチでつなぐ、ビジネスのための名刺アプリ「Eight」などのサービスを提供しています。
――北村さんの所属するBill One事業部について、詳しく教えてください。
インボイス管理サービス「Bill One」を扱う事業部です。これまで世の中の請求書は、多数の拠点や部門に、紙やPDFといったさまざまな形で届いていました。Bill Oneは、名刺を正確にデータ化し続けてきた当社のテクノロジーとオペレーションを生かし、あらゆる請求書をオンラインで一括受領し、月次決算の加速を実現できるサービスです。このBill Oneの事業拡大を担う組織として、Bill One事業部が立ち上がったのは2020年。Sansanの中では比較的新しい、いわば「新規事業」の立ち位置を取っています。
――候補者の方にSansanについてお伝えすると「名刺の会社ですね」「大きい会社だからきっと落ち着いているんですよね」といった言葉が返ってくることが多くあります。実際の社内の雰囲気はいかがでしょうか。
Sansanは、大手企業とベンチャー企業の"いいとこどり"の会社だと思います。ワークライフバランスは良く、個人的には評価制度や社内制度も整っていると感じています。
一方で、組織の熱量や働きがいはベンチャー企業そのもの。これまで日本では達成した企業が数少ない「T2D3」(Triple, Triple, Double, Double, Double:サービスをスタートしてからの売上額が、前年を基準に3倍、3倍、2倍、2倍、2倍と上昇すること)を成功させるために、全員が自らできることを探し組織に貢献しています。すべてがT2D3につながると思いながら仕事をしているため、一つひとつの仕事の目線がそろい、自然に一丸となっている雰囲気がありますね。
僕は前職もベンチャー企業で働いており熱量の高い環境にいたのですが、Bill One事業部のメンバーの熱さにはそれを凌駕するものがあります。
――T2D3を実現するために、具体的にはどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。
すべて、というのが答えになるのですが、あえてひとつ特徴を挙げるとするなら、圧倒的な速度と濃度でノウハウ共有が行われています。たとえば、市場の情報や業界情報、最新の法改正、お客さまからの声、商談でのトークなど、ほとんど全ての情報がSlackで共有されます。そうしなければならないというルールがあるわけではなく、全員がGiveの精神を持っているから、社内文化として根付いているように思います。また、情報だけではなく、誰かの失敗体験とそれに対する改善もすぐにシェアされます。失敗や反省も組織の資産になる仕組みができあがっています。
加えて、Sansanのバリューにある「体験を想像する」に、全社で徹底して向き合っていることも、T2D3を実現するための取り組みのひとつと言えそうです。何がお客さまにとって価値になるのか、お客さまは商談時にどんな気持ちになるのか、サービスを使うときにどんな仕様だったら嬉しいのか、常に体験を想像する。その姿勢は、「デモ会議」に如実に表れているように思います。
――デモ会議とは?
営業・カスタマーサクセス(以下CS)・開発・デザイナーが集まり、定期的に開発予定の機能について話し合う場を設けています。それぞれが別の領域の専門家であるため、意見はぶつかり合うことも多い。でも、全員がユーザーの体験を想像して顧客目線で話すから、まったくギスギスしないんですよね。
たとえば、ボタンの幅をほんの少し変えるだけでも「その幅にする意味は?」「この表現だと違う解釈になりませんか?」と意見が飛び交います。それは、実装したときに以前の機能をすでに使ってくださっているお客さまに迷惑が掛からないか、間違った使い方をされないかを、それぞれの立場からメンバーが必死で考えているからです。
――なるほど。違う立場にいながらも、目線は「ユーザー体験」に置かれている。
おっしゃる通りです。Bill Oneの解約率は2023年11月時点で0.5%以下です。その理由は、CSが運用に乗るまでをサポートし続けるから。インサイドセールスやフィールドセールスも、ただ新規の受注をするのではなく、お客さまの体験にまで目を向け、どうすればお客さまがしっかりとオンボーディングし、製品を使い続けたいと思ってくれるのかまでを考え提案しています。
このように、どのポジションにいる人間も「体験を想像する」ことに徹し、本質的にお客さまのためになることを考え、実行し続ける。これが、T2D3達成のために欠かせないスタンスだと考えています。
マーケットシェアNo.1サービスを支える研修体制
――研修体制やフォロー体制について教えてください。
入社後は約3ヶ月の育成期間が設けられており、Bill Oneには育成を担当する専任の研修チームが存在します。入社したら、まずは1週間の人事研修。Sansanのビジネスモデルや文化、社内用語を学んだり、ミッションやビジョンに対する理解を深めたりする期間があります。
Bill One事業部の営業部に配属の場合は約3ヶ月の育成トレーニングを受けます。Bill Oneの価値、お客さまとどのように話をするのか、クロージングはどうするのか…。トレーナーがついて、セールスとしてひとり立ちするまでを徹底的にサポートします。
――約3ヶ月もの長期間、リソースを学びに集中投下させられるなんて、すごい環境ですね。
そうですね。さらにトレーナーは自分の売上目標を持っておらず、すべてのリソースを育成に使うことができます。そのため、中途入社のメンバーはトレーナーに質問し放題、ロールプレイングも同席も頼み放題といった環境です。トレーナーが売上目標を持ち、自身の案件を同時進行していると、トレーナー自身が忙しく、新入社員がわからないことを聞きたくても聞けない、限られた回数しかロールプレイングができない、という状況に陥ってしまうこともあります。トレーナーを“使いたい放題”なのは、教育に力を入れる当社の文化があってこそかもしれません。
――そこまで教育に力を入れるのはなぜですか?
実はBill Oneは、請求書受領サービスマーケットでシェアNo.1を2年連続で獲得しています(*1)。No.1を獲得できた理由を外部機関に調査してもらったところ、その考察として「サービスへの社会的信頼性」と「圧倒的な人員体制と組織力」が挙げられました。
一般的に採用を強化して新入社員が増えると営業生産性は下がるとされています。しかし、教育や組織力の強化にリソースを投下することで、営業生産性が向上し、結果的にお客さまからの信頼度や市場シェア率の向上に寄与することが分かったんです。マーケットシェアNo.1の要因の一つが「人員体制と組織力」であることが明らかになっているため、その強みを支える育成体制は変わらず、むしろより強化されていくのではないでしょうか。新しく入社する方には、安心していただきたいなと思っています。
ただ、入社後すぐに華々しい成果が上げられる人はそこまで多くはありません。Sansanには、他社で優れた営業成績を残したメンバーも入社してきますが、そういう人でもすぐに成果が出るわけではない。全員、どこかで必ずつまずきます。
――北村さんもそうだったのですか?
僕も入社当初は売れない時期が長く続き、悩んでいました。でもあるとき、隣のチームの先輩が「北村さん、最近どう?」って声をかけてくれて。「売れてなくてしんどいです」って答えたら、商談に同席してくれるようになりました。それだけですごいことだと思うのですが、いい案件と出会えるまでずっと気にかけてくれて、初めてご契約いただいたお客さまのときも事前相談や資料作成にずっと付き合ってくれました。
その先輩は年下で、僕よりたった数ヶ月前に入社した人だったのに、わざわざ自分の時間をたくさん使って伴走してくれたんですよね。誰に依頼されたわけでも、ご自身の目標にも関係ないのにそれをやってくれている姿が、本当に格好良かった。僕もそういう人になりたいと思った原体験があるから、これから中途入社される方には、しっかりと寄り添っていきたいと思っています。
人とのつながりを強化するための制度や文化も充実
――北村さんが好きだと思うSansanの文化や制度はありますか?
社内コミュニケーション促進施策「Know Me」(ノーミー)には、かなり助けられてきたように思います。Know Meとは、社員同士の交流を促進するために異なる部門のメンバーとの会食費用を会社が補助してくれる施策です。飲み会の「飲み」と、交流を通じて自分を知ってもらう「Know Me」をかけて名づけられ、立ち上げから13年にわたって多くの社員に愛される制度です。
たとえば他部署の仕事についてちょっとした聞きたいことがあったとき、業務時間内にわざわざ聞きにいって相手の手を煩わせてしまうのは嫌ですよね。かといって、そのために飲み会をして相手に経済的な負担を強いてしまうのもためらわれる。そんなとき、Know Meを使えば誘いやすいです。わからないことを聞いたり、他部署ならではの視点でフィードバックをしてもらったりと、さまざまな生かし方ができます。
僕も入社同期のメンバーとは定期的にKnow Meをしていました。配属先はバラバラでしたが、Know Meの制度を活用して気軽に情報交換をしたり相談をしていました。
印象的だったのは、僕が仕事で悩みを抱えていたときのことです。落ち込んでいるときによくKnow Meをしていた同期のメンバーが声をかけてくれ、「したいことある?」と聞いてくれたんです。ゲームをしたいと答えたら、レンタルスペースを借りて1日中ゲームに付き合ってくれて。その中で、仕事の悩みを聞いてくれたり、解決策を一緒に考えたりしてくれました。その時間があったから何とかまた立ち上がり、新たな目標に向かって進み始められました。Know Meでの関係性があったからこそ、つらい時にも本音で話せる仲間に恵まれたと感じています。
――制度があるからこそさらに横のつながりが強化されている一面もありそうですね。
そうですね。それから僕は、「強マッチ」研修もすごく好きです。これは、米国ギャラップ社開発の「クリフトンストレングス(旧ストレングスファインダー)」を用いて一人ひとりの強みを見つけ、相手の強みを理解した上で役割分担していこう、というものです。
たとえば僕は、「調和性」の資質が強く、皆が同じ方向を向いて歩調を合わせることを好みます。だから、会議で議論を促進するときには僕がファシリテーションを担当すると、全員の意見を聞きながら全体の合意を取りやすい。一方で同じチームのあるメンバーは「戦略性」の資質があるので、プロダクトの売り方を考える会議には必ずそのメンバーを呼ぼう、となるわけです。
それを社員任せにするのではなく、個人の、会社の成長のために制度として設け、業務時間内に実施してくれる。Sansanのカルチャーを反映した制度だと感じています。
T2D3を目指すSansanで求められるのは「グロースマインドセット」
――今のフェーズのSansanに飛び込むと、どのような成長を得られるでしょうか?
現在のSansanは、圧倒的な営業力が身に付くフェーズだと思っています。ここまでにお話した通り、Sansanは日本でも有数の営業力が高い会社。営業に関する膨大なノウハウが蓄積されていますし、それらのノウハウを生かした実践の場も数えきれないほどあります。
営業力を付けたい、学びたいと思ったら、その手法は本や研修であることが多いですよね。レベルの高い研修を受けようと思ったら、1日十数万円のお金がかかることもあります。そんなノウハウやスキルをお金をもらいながら、90日間もの時間みっちり学べるなんて、すごいことだと思います。Sansanで営業力を高めることはキャリアにおいて絶対にマイナスにはなりません。今後のキャリアを営業として歩んでいくのであれば、ぜひSansanにチャレンジしてほしいです。
――Sansanで必要とされる人材はどのような人でしょうか。
グロースマインドセット(*2)のある人でしょうか。グロースマインドセットとは、「人の能力は経験や努力によって高められる」という考え方のことを指します。とある研究の中で、大きな結果を出してきた人には「自分は努力をすれば成長できる」と信じてきたという共通点があったことがわかっています。Sansanに入社する方には、このマインドを持っている方が合っているように思います。
Sansanは2019年に上場を果たし、2024年の今、さらに新しいフェーズに突入しようとしています。決して簡単ではない目標であるT2D3を実現しようとする今求められるのは、「努力すれば成長できる」というマインド、そしてそのために努力を惜しまない姿勢です。
Sansanは、今この瞬間の実力だけでなく、その後の仕事への姿勢や努力のプロセスを見てくれる会社です。今の実力に自信がない、「わたしなんか…」と思ってしまう、そんな人でも、ためらいを捨てて飛び込んで来てほしいです。
これを読んでくださっている方の経験が生きる場所は、きっとSansanの中にあります。一緒にT2D3を達成し、ビジネスインフラになることを目指しましょう!
*1)https://jp.corp-sansan.com/news/2023/1208.html
*2)https://jp.corp-sansan.com/company/message
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