書類選考通過率8割を誇るBOXが教える“職務経歴書の作り方”
転職活動を始める際、最初の難関となるのが「職務経歴書」。自己応募の際にも、エージェントを利用する際にも、ほとんどの場合最初のフェーズで提出を求められますが、その通過率は30~50%程度と言われており、書き方のコツがわからずしり込みしてしまう人も多いはず。
そこで今回は、書類通過率83%(※2024年2月現在)という数値を出すエージェントのメンバー二人に「通る職務経歴書のコツ」について聞きました。何を書けばいいんだろう?人事の目線が知りたい!という方は、是非参考にしてみてください。
話を聞いた人
1. 職務経歴書は新卒1年目の人が見てもわかるように書く
職務経歴書を書くとき、まず意識したいのは「新卒1年目の人が見てもわかるくらいのわかりやすさ」。
書類選考を行う人事担当者は多忙で、1日数百通の書類に目を通すこともあります。また、会社によっては、人事担当者がセールス、CS(カスタマーサクセス・カスタマーサポート)、プロダクトマネージャーなどの幅広い職種の書類選考を行うこともあるため、専門領域でしか使われないような言葉を使用すると、人事担当者に「調べる手間」がかかってしまいます。
そこで意識したいのは、相手が“新卒1年目”であっても、つまり、その職域に詳しくない人だったとしても、すぐに理解できるかどうか。できるだけわかりやすい言葉で、具体的に書いてみてください。
2. 職務経歴書の数値は具体的に、分かりにくい場合は比較で書く
定性的な内容ではなく定量的な内容を記載する、と意識してくれている方は多いのではないかと思います。一方で、意識から抜けてしまいがちなのが「その数字で自分の魅力が伝わるかどうか」です。
たとえば、前職で賃貸住宅の営業職だった人が、新たにSaaSの業界に転職するとします。その際「1200万円売り上げました」と数値で成果を伝えるだけでは、SaaS業界で働く人事担当者には成果の良し悪しが伝わりません。
そこで
2022年期:達成率 120%(売上 1200万円/目標 1000万円)
┗2位/全社員150名中
のような形で、人事が具体的にその成果をイメージできるような比較を記載してあげるのがおすすめです。
3. 職務経歴書のアピールポイントには“再現性のあるハードスキル”を書く
エージェントとして職務経歴書を見ていると、アピールポイントへの記載が弱い方もいらっしゃいます。「周りを巻き込む力」「自己内省力」といったソフトスキルをアピールポイントに記載いただいてももちろん良いのですが、人事担当者が知りたいのは「前職で培った力を、自社でも生かしてもらえるのかどうか」。
人事担当者の知りたいことに応えるために、職務経歴書にはハードスキルを必ず記載し、再現性があることをアピールしましょう。
たとえば、不動産会社で戸建ての販売を担当していたAさんが、1億円の売上を作ったとします。数字だけ聞いても「大きな金額だな」と思われそうではありますが、実はこれだけだとアピールポイントとしてはいまひとつ。
「事実」「課題」「仮説」「行動」「結果」の順番で記載し、「前職で培った経験が、現職でも再現できる」ことをアピールしましょう。
下記は非常に平易にしたものですが、どんな説明がアピールにつながるのかを分かりやすく示した例です。
×では結果のみが、△では行動と結果のみが示され、〇では事実~結果の全てを伝えることができています。
より詳しく知りたい方は、ぜひ下記の画像を見てください。添削前の【自己PR】では、行動・結果が抽象的に示されています。一方転職後の自己PRでは、「事実」「課題」「仮説」「行動」「結果」が記載され、候補者が培ってきた経験やスキルが転職後も生かせることをしっかりと伝えられています。
【添削前】
【添削後】
4. エントリー求人の要件をチェックして、職務経歴書には必要な情報を書く
先ほどもお伝えした通り、職務経歴書では「前職で培った力が次の職場でどのように生きるのか」を伝える必要があります。ただし、自分の想像だけで「この職種なら、こんな力が必要とされているだろう」と筆を進めてしまうと、転職先企業が求めている情報とズレた内容になってしまうケースも。
そのため、エントリーする求人の要件は必ずくまなくチェックして、その要件に沿った情報を記載できるようにしましょう。
たとえば、下記のような求人があったとします。
前職で3年半コンサルティング業に携わっていたBさんは、「必須要件」を満たしています。さらに読み進めると、本求人からはプロジェクトマネジメントやチームマネジメントなど、マネジメントの経験者を必要としていることがわかります。
そこで職務経歴書には、3年半の前職での経験の中から、プレイヤーとしての実績だけでなく、マネジメントについての実績も記載していきましょう。
転職エージェントを利用する場合、ほとんどの場合、担当エージェントはインターネットに掲載されている情報以上の細かな要件を把握しています。コンサルティング営業の中で特にどのような経験や成果を重視しているのか、マネジメントにおいて何を達成していれば今回の転職で企業側に評価されるのかなど、エージェントと情報共有を行いながら職務経歴書を書き上げていきましょう。
5. エージェントからの推薦文は意外と重要
エージェントが企業の人事に職務経歴書を渡すときには、必ず「推薦文」が添えられます。推薦文とは、なぜその候補者を企業に紹介したいのかを、エージェント目線でお伝えするためのもの。自己応募の場合、基本的に企業側が求める要件(経験年数やスキルなど)を満たさない場合には書類選考を通過できませんが、エージェントを利用する場合、この推薦文によって
・経歴だけでは見えてこないけれど、実はこの人は…
・お話した際にこの方が言っていたことは…
など、職務経歴書だけでは伝えきれない情報を、人事の方に直接お渡しすることができます。この推薦文が、書類選考通過率を高めるキーのひとつと言えるでしょう。これを利用しない手はありません。
6. 職務経歴書はあくまで転職活動の入り口。時間をかけすぎないのも大事
とはいえ、職務経歴書の作成はあくまでも「転職活動の入口」に過ぎません。職務経歴書が通過した後には、一次面接、二次面接、最終面接、オファー面談と、企業理解を深める場が何度も用意されています。
職務経歴書の作成に夢中になるあまり、早い段階で息切れしてしまったり、自分にマッチする企業を探すための時間を取れなかったりしたら本末転倒です。行き詰ったらエージェントに連絡をするなど、適切に周囲に頼りながら、効率よく進めていきましょう。
7. 転職を考えていなくとも定期的にキャリアを棚卸し、職務経歴書をすぐ作れる状態に
この記事を読んでくださっているのは、転職を控えて職務経歴書の作成に着手している方でしょう。書類を作成しながら「あれ、この年はどんな成果を残したっけ……?」と立ち止まる方もいたことと思います。
職務経歴書作成の最後のポイントは「転職を考えていなくとも、定期的に自分のキャリアを棚卸しておくこと」。
転職を考えて初めて「これまでのキャリアを振り返ろう!」と思っても、記憶が薄れてしまったり、明確な数値のデータが残っていなかったりし、情報を集めるだけでも時間がかかってしまいます。そのため、転職を考える前の段階から、半年に1度~1年に1度程度のスパンで
どんな業務を担当していたか
どんな成果を残したか(定量)
数値で表せない成果はあったか(定性)
新しいチャレンジはあったか
ハードシングスあったか、そしてそれをどのように乗り越えたか
などを記録しておきましょう。
転職時、それらの情報を求人情報に併せてスクリーニングし、まとめていくことで、スムーズに職務経歴書作成を進めることができます。
*
BOXでは職務経歴書の作成はもちろん、企業探し、面接対策など、転職活動に必要なすべてのステップをサポートしています。この記事を読んでご興味を持っていただいた方は、ぜひ問い合わせページより「平岡」「新村」を指名してご連絡ください!