IVRy COO 片岡様に聞く“人材ブラックホール”IVRy の魅力
「人材のブラックホール」——日本を代表するユニコーン企業メルカリは、かつてそんな呼び方をされていました。各分野のトッププレイヤーが続々と入社するメルカリの採用手法に迫るメディアも複数あり、スタートアップ企業の多くがその知見を参考にしていました。
そんな「人材のブラックホール」の異名を受け継いだとも言えるのが、IVRyです。2024年9月現在、110名以上の従業員を抱え、順調な拡大を続けています。
そんなIVRyに2024年4月、COOとして入社したのが片岡慎也様(以下、片岡さん)。GREE、メルカリなどを経て、「IVRyで働く人たちの持つ圧倒的な密度と熱量」に惹かれ入社を決めたと言います。
今回のnoteでは、株式会社BOX 取締役の澤田が、片岡さんにIVRyへの入社理由、片岡さんの見つめる未来などを聞きました。
代表・奥西さんの原体験を起点にプロダクトをローンチ
澤田:改めて、IVRyの事業内容を教えてください。
片岡:IVRyは、IVR(電話自動応答)を起点として、AI対話システムを開発・運営している会社です。電話は口頭でスムーズなコミュニケーションが取れるという利点がありながらも、掛ける方・受ける方、双方の時間を奪うという側面も持つツールです。そして、受ける側はタイミングをコントロールできず、ストレスを感じてしまうことも多くあります。自動応答システムを提供することで、電話に関するストレスを無くし、業務効率化、人が介在する仕事の価値の最大化を目指しています。
大企業では、オンプレミス(自社でソフトウェアなどを保有・運用する形式)で自動応答システムの開発が行われてきていましたが、より多くのお客様に使っていただくために、SaaSとしてサービスを提供しています。
澤田:なぜIVRyを立ち上げようと考えたのでしょうか。
片岡:きっかけは、代表の奥西が起業した際に、多くの電話が掛かってきたことでした。創業当初の電話の中には、営業電話、問い合わせ電話、創業の手続きなどに関する電話…と、さまざまなものが含まれます。番号だけが表示されていても大切な電話とそうでない電話の判別ができず、当時の奥西は、銀行からの電話を無視してしまったんですよね。それが理由で融資の審査に落ちてしまったのが、IVRyの立ち上げの原体験となりました。
「熱量のうねり」が入社の決め手に
澤田:片岡さんはご自身の入社エントリの中で、IVRyへのファーストインプレッションとして「令和の時代に電話のDX事業なのか」と感じた、とおっしゃられていました。これはどういうことでしょうか?
片岡:それまでの私は、電話よりメッセージでの連絡の方がスピーディーなのに、今から電話を主要サービスにするなんて不思議だなと思っていました。私の場合は電話は面倒で使うことがあまりなかったので、それを主要サービスにするのはそもそもどうなんだろう、と思っていたんです。
ですがよく話を聞くと、電話というツールは、多くの企業でまだまだ現役。レガシーで誰にでも使えるツールだからこそ、ほとんどすべての企業で使われるインフラそのものだと気づきました。
人材不足が問題となっている中で、業務効率化や生産性向上の改善が日本全体で急がれています。営業時間外の電話自動応答による機会損失の低減や、蓄積した電話データの分析による業務改善など、電話というツールを自動化するだけで、多くの効果が得られると徐々に解像度高く理解できるようになっていきました。
電話というツールとの掛け合わせだからこそ、すべての企業にリーチでき、お客様が「AIを使っている」と意識することなく、IVRyの技術を使ってもらうことができる。そんな世界が実現できるなら、PdM冥利に尽きると感じました。
インフラに対してAIの技術を実装し、ミッションである「最高の技術をすべての企業に届ける」を実現しようとしているなんてすばらしいと感じるようになったんですよね。
澤田:入社前に奥西さんとお話をした際には、未来の話もされていましたか?
片岡:もちろん足元の事業内容に加え、大きなビジョンを語ってくれたことも入社のきっかけになりました。IVRyが今提供しているサービスは、自動応答システムです。電話で来た問い合わせに対してAIが適切な答えを返すのはステップ1に過ぎません。
IVRyのコアは「集めた音声データをさまざまなビジネスに活用すること」。具体的な構想は現段階ではお話しできませんが、奥西さんが描く5年後、10年後の広がりを聞き、「IVRyは電話の会社ではなく音声データの会社だ」と思ったんですよね。
先見の明とも、壮大なビジョンとも言えますが、とにかく自分には想像できない世界観がそこにあった。純粋に楽しそうだと思ったのが、IVRyへの入社の決め手となりました。
澤田:具体的には、どのような点を「壮大なビジョン」と感じたのでしょうか。
片岡:まずは、IVRyが進出しようとしている領域のそれぞれのTAM(Total Addressable Market:ある事業が獲得できる可能性のある全体の市場規模)が非常に大きく、それぞれに数兆円の規模がありました。一事業で数兆円だとしたら、それを複数かけ合わせたらとんでもないことになるぞ、と。私は海外に事業を展開したい人間なので、日本で土台を作り、それを海外に広げていけたらとワクワクしました。
澤田:そのほかに、入社の決め手になったポイントはありましたか?
片岡:入社前、IVRyで月1回行われている「オフィスオープンデー」に遊びに来た際に、伸びていく会社特有の「熱量のうねり」のようなものを感じたんですよね。そこで働くメンバーと話すと「この人は自分が今何を目指して、そのために何をやっているのかをちゃんと理解している人だ」と感じられました。一人ひとりが優秀で、粒ぞろい。そして、奥西が見据えるビジョンに惚れ込んでコトに向かっている雰囲気がありました。
私は200人規模のGREE、40人規模のメルカリで働いた経験があるのですが、すごく近いものがありました。再現率100%と言っていいほどです。彼らの持つ優秀さ、そして生まれている熱量そのものを僕は「熱量のうねり」と表現していて、明確にそれを感じられたのが入社の決め手となりました。
中に入って初めて感じた“IVRyの魅力”
澤田:IVRyには、片岡さんを始め、しっかりとキャリアを積まれた優秀な方が続々と入社しています。「人材ブラックホール」と呼ばれることもあるほどですが、IVRy、もしくは代表の奥西さんのどんな点が、優秀な方を魅了するのでしょうか。
片岡:第一に、奥西は事業企画・事業開発の能力が突出しています。PdM出身ということもあり、プロダクトに対するこだわりも強い。初期からそれらに魅了された仲間がリファラルで入社し続けていましたが、今も変わらずその点は魅力だと感じています。
また、奥西には業界を見渡し、自社のビジョンや数字につなげる強さもあるように思います。現状成功しているのはIVR事業ですが、今後の成功をあちこちに感じさせてくれ、ワクワクさせてくれる点も、IVRyの魅力ではないでしょうか。
また、彼は人間力が高いんですよね。IVRyはリファラル率70~80%の会社なのですが、奥西が友人や後輩だけでなく、先輩も仲間にしている。それは、ただビジネスパーソンとして優秀なだけではなく、やり切り力、素直さ、当事者意識などのパーソナリティに、人として魅せられている人が多いからなのではないでしょうか。
澤田:IVRyは採用手法だけでなく、組織の作り方にも特徴があると聞きました。その代表例が「四半期に1度のチーム編成」だと思うのですが、具体的にどのような施策なのか教えていただいてもいいですか?
片岡:IVRyの組織の中には「プロジェクト」と「サークル」の大きく2つの概念があります。プロジェクトはある目的のためにさまざまな職能が集まった組織、サークルは職能によって分けられた組織です。
プロジェクト制を取る理由は、短期的な目的に対して組織の壁がない状態で一丸となって進んでいけること。加えて、短期的な目的に対して最適なチーム作りが実現しやすい点にあります。短期のプロジェクトであってもゴール設定を行い、コトに向かってプロジェクト単位で進むことで、組織運営そのものがアジャイルに動いていくことを意識しています。
一般的な会社のように「事業部」として組織を固定化してしまうと、良くも悪くも「自分の役割はここまでです」と自らを型にはめてしまいます。ですが、クオーターごと、半期ごとに目的が変わり、それに応じてプロジェクトの編成も変わる会社なのだと思っておいてもらえるだけで、メンバー自身も変化に慣れ、強い組織ができると考えています。
一方「サークル」は、個人のキャリア育成の観点から生まれた概念です。プロジェクトは、OKRの達成のために編成された組織であることから、個の成長よりもOKRの達成、組織の成長が優先されます。そこで、職能の同じメンバーを集めて「サークル」とし、サークルでは個の成長と評価にコミットメントすることとしています。
澤田:なるほど。プロジェクトで「コトに向き合う環境」を、サークルで「ヒトに向き合う環境」を整えているのですね。この二軸があることで、入社メンバーの成長にも繋がっていきそうです。
Grab and Gritの経験がある人と未来を作りたい
澤田:片岡さんは、どんな人と一緒に働きたいとお考えですか。
片岡:IVRyは変化の大きい会社です。デイリー、ウィークリーと短い単位で変化していく会社なので、環境の変化に進んで応じられる力が必須だと考えています。また、逆説的ですが、変化が大きいからこそ根底の価値観は一致している必要がある。ですから、バリューマッチングも非常に重要だと思っています。
Beyond the wall、Keep on Groovin’、Grab and Grit。これらのバリューとのマッチ、特にGrab and Gritの素養は重要です。つかんだからには最後までやり切る責任感。奥西が背中で示してくれているその力は、IVRyに入社する際には最低条件として必要だと考えています。
澤田:今のフェーズだからこそ求められる力はありますか?
片岡:採用の軸はフェーズが変わってもほとんど変わらないと思っています。基本的なバリューマッチを満たしたうえでスキルやコンピテンシーを拝見しますが、面接の際には、IVRyのバリューで掲げているような経験をお持ちかどうかを聞かせてもらうことが多いですね。
あとは、その人が今後ありたい姿とIVRyが進んでいく方向が合致しているかも拝見しています。IVRyは、10年、20年と続く息の長いプロダクトを作っていきたいと考えています。長く事業をやっていく中で、メンバーが頻繁に入れ替わってしまえば、弱い組織になっていってしまいます。また、人生の大切な時間をいただくわけですから、できるだけ、その人の目指す未来に向かって必要な経験をIVRyで積めたほうがいい。面接のときには、そのあたりもお話ししています。
澤田:長く一緒に働けることを前提にしていらっしゃるんですね。最後に、IVRyの今後の展望を教えてください。
片岡:IVRyが選んでいる電話というチャネルは、インフラです。インフラである以上安定的に使える必要がありますし、「嘘の情報を返さない」というAIとしてのクオリティも求められています。
IVRyにはGoogle USで自然言語理解に関するサービスを開発していた人、AIの技術において最先端の環境で経験を積んできた人など、さまざまな経験・スキルを持ったメンバーが揃っています。彼らのノウハウ、技術をかけ合わせることによって高い品質のプロダクトを提供できているので、今後はこれをどんどん広めていきたいと考えています。
現状のARR(年間経常収益)は5億円以上(※編集部注:2024年5月資金調達時点)。しかし、冒頭でも話した通り、奥西が見据えているビジョンに思いを馳せると、本当にワクワクします。IVRyの未来に広がりを感じ、ご自身のWillをここに重ねてくれる人がいるのなら、ぜひ一緒に働きたいと思っています。
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