「技術課題も組織課題も解消してくれる人材を採用できた」SalesNow代表・村岡様が語る、CTO採用までの軌跡
企業データベースとセールステックを掛け合わせたSaaS事業を展開する、株式会社SalesNow。2019年8月に創業した同社のプロダクトには、日本に登記されている540万社分のデータベースが整備され、わずか5年で700社以上に導入されています。
BOXはそんなSalesNow社にひとりのCTO候補を送り出しました。「技術課題も組織課題も解決できる人がほしかった」というSalesNow代表の村岡功規様(写真左)。今回のnoteでは、SalesNowがなぜCTOを必要とし、BOXがご紹介した候補者にどのような魅力を感じていたのか、村岡様にお話を聞きました。
540万社分の企業情報を公開し、企業の営業活動を効率化する「SalesNow」
——はじめに、SalesNowの事業内容を教えてください。
村岡:SalesNowは、「誰もが活躍できる仕組みをつくる。」というミッションを掲げ、セールスチームの武器となるデータベース「SalesNow」、企業情報メディア「SalesNow DB」を提供しています。
日本の営業活動はまだまだアナログで非効率です。セールスパーソンが営業活動に使う時間は稼働時間のうち3割程度と言われており、7割を営業活動に必要なリサーチや事務作業に費やしています。
そこで私たちは、「SalesNow」で日本に登記されている540万社分の企業情報を完全に網羅したデータベースを提供しています。このデータベースには、企業の基本情報から財務データ、行動データ、独自データに至るまで、多岐に渡る情報が含まれています。これにより、ユーザーはさまざまなビジネスインサイトを得ることができ、営業活動のためのリサーチにかかる時間が削減されます。
「SalesNow DB」は、SalesNowプラットフォーム傘下にある日本最大級の企業情報データベースメディアです。高品質な企業データに無料でアクセスできるのに加えて、業界・都道府県・設立年月などのさまざまな切り口から該当企業を探すことができます。
——膨大なデータを扱うSalesNowの開発には、どんなバックグラウンドを持つ方が携わっているのでしょうか。
村岡:もともと私は理系出身で、大学時代は研究室で大量のデータを扱っていました。前職の人材紹介会社でも、営業の効率化の文脈でデータを扱っていたので、効率化・データといった知見は一定数持っていました。
そのため、最初のデータ基盤の構築やMVP(Minimum Viable Product)は自分と共同創業者・COOの粂で構築し、リリースまで行いました。その後、早稲田の大学院卒・元ソフトバンクのデータエンジニアが入社、大手toCアプリのCTOが技術顧問として参画するなど技術力の高いメンバーが集まり、今のSalesNowを形作ってきました。
技術的な課題に適切なフィードバックがほしい。CTO採用の背景
——CTOを採用する前、SalesNowにはどのような課題がありましたか?
村岡:SalesNowにはシニアのエンジニアが在籍していなかったため、時折技術的な課題にぶつかり、解決方法に迷うことがありました。適切なフィードバックをくれる方がいると、エンジニアが迷いなく実務にあたれると考えていました。
CTOがいなくても、短期的な実装は問題なく進んでいました。しかし、技術的負債・長期的なスケーラビリティ・インフラコストの最適化などを考えると、より技術と経験のある人が必要でした。さらに、人は増えているもののエンジニアの組織化はできておらず、日常業務に必要なレベルでの相互理解も促せていなかったように思います。
そこで、CTOを採用し、技術的な部分はもちろん、組織課題も解決してもらえないかと考えました。
——採用を進める中で感じていた課題はありますか?
村岡:当初は既存のメンバーだけで採用を進めようとしていました。ですが、ビジネスサイドの人間は開発のことがわからず、エンジニアは採用の実務経験がありません。スカウトや一次選考をエンジニアに協力してもらいながら進めていましたが、工数の半分が採用に取られる状態になってしまったわりに、経験不足で成果も出にくく、課題を感じていました。
——そんなタイミングで、BOXからSalesNowさんにお声掛けをしたのでしょうか?
棚橋:SalesNowさんとは2023年11月に、ビジネスサイド人材の採用支援をきっかけに取り組みをスタートしました。時期を同じくして、エンジニア支援特化の事業部「BOX for Engineer」を立ち上げたのですが、エンジニア領域についてはSalesNowさんと連携できずにいました。
初めてエンジニア事業部としてコンタクトを取ったのは、候補者のAさんにあった求人を探していた2024年の5月ごろ。すでにBOXでお取引のあるクライアント600社が出しているCTOの求人をすべてたどっていると、CTO候補としてSalesNowさんの求人がヒットし、すぐに担当者にご連絡しました。
——BOXからAさんの書類をお送りしたときの印象を覚えていますか?
村岡:かなりシニアな方だな、というのが最初の印象です。Aさんは当時上場企業にCTOとして在籍していました。在籍中にIPOも経験していたので、今後のSalesNowの組織作り、IPOの過程で問題になる事象に対しても、先回りして問題提起をしてくれるのではないかと期待しました。
一方で、経験豊富で経歴も素晴らしい方だったので「こんな方を僕たちがアトラクトできるのか?」とも思っていました。
——Aさんからの所感はいかがでしたか?
棚橋:SalesNowを提案した際、実はすでに他の企業の選考が最終フェーズでした。ただ、他社での選考が進みAさんの中で「コトに向き合う会社が良い」という軸が明確になってきており、バリューとして「コト志向」を掲げるSalesNowを追加提案しました。
すると、Aさんから「とても興味があるので、代表の方とのカジュアル面談をお願いできませんか?」と打診をいただきました。初期から、かなり関心を持っていただいていたように思います。
40ページのスライドを使いオファー面談を実施。熱量が功を奏した
——カジュアル面談は、村岡さんに行っていただいたのでしょうか?
村岡:はい、私がお会いしました。お会いした印象は、書類選考のときと変わらず「良い人」。カジュアル面談の段階から現状の課題などを具体的にお伝えし、ディスカッションをしました。この方だったら、今SalesNowが抱えている課題を解決してくれるだろう、というイメージが持てたので、ぜひ次の選考にとお伝えしました。
——その段階で、Aさんの意向度は高かったのでしょうか?
棚橋:その時点では、すごくいきたい!という温度感ではなかったと記憶しています。ですが、「思った通り魅力的な企業で、代表の方とも相性がよさそう」というお話があり、続けて選考を受けてもらう流れになりました。
——最終的に、AさんはSalesNowのCTO候補を次のキャリアとして選ばれました。SalesNowのどのような点がAさんを魅了したと思いますか?
村岡:最後のオファー面談だと思っています。パワーポイントで40枚もの資料を作り、1時間の枠の中で、可能な限りSalesNowの現状を伝えました。VC向けのデューデリジェンス資料を用いながら、事業が伸びる蓋然性、今後の戦略、今抱えている課題などを丁寧に説明していきました。
特に詳細にお伝えしたのは、ファイナンスの実績と、今後のマーケットにおいてSalesNowがどのポジションを狙っていくのか。長期的な戦略を具体的にお伝えしたので、Aさんも「この会社は伸びる」と確信してくれたのだと思います。
また、どの範囲までAさんに意思決定を任せようと思っているのかも事前にお伝えしていたので、Aさんご自身が具体的な業務・裁量の範囲をイメージできていたことも大きかったように思います。
ただ、それだけでうちを選ぶ理由になるかなあ、とも当時は思っていて。なんで来てくれたんですかね?(笑)
棚橋:結局最後は人だったのだろう、と私は思っています。BOX経由で選考が進んでいた企業を含めると、Aさんはいくつかの会社からオファーをもらっていました。最終的にどこの会社も「ここには負けない!」とオークションかのようにオファーの金額を上げていったのですが、オファー面談の熱量はSalesNowが圧倒的だったと聞いています。
また、裁量をどこまでどの程度渡すのかの部分も一番詳細だったと聞いています。最終的には、自分がどのくらいそこで働く人と事業に対して熱量を持ち、コミットメントできるかが決め手だったのではないでしょうか。
——CTOであれば、どの企業でも一定の裁量はあるはずなので、裁量の大きさは差別化の要素になりにくいのではとも思えますが、いかがでしょうか。
村岡:Aさんは技術だけでなく、グロースハックのような事業目線での実績もありました。そのため、開発だけではなく、マーケティングやビジネスサイドも含めて「メディア全体を任せます」というような話はしていたので、管掌範囲がテクノロジー領域に限定されない良さはあったかもしれません。SaaSのワンプロダクト企業と比較したときに差別化のポイントになっていた可能性はありそうです。
累計調達額5億円の企業に、アーリーなフェーズでジョインできる
——BOXを使っていただいて、良かったと感じた点はありますか?
村岡:SalesNowは、エージェント向けの説明会を定期的に開催しています。複数の企業が参加されますが、BOXは必ず複数名で前のめりな姿勢で参加してくれます。また、BOXだけでなく、BOXが紹介してくれる候補者の方も前のめりに情報をキャッチアップしようとする方が多く、支援のスタイルが表れているな、と。
また、売上を作ることだけを考えれば、数十億の規模で資金調達をし、大量採用をしている企業にコミットするほうがメリットがあります。しかしBOXはSalesNowのような小さな会社に工数を割き、丁寧な支援をしてくれると感じています。
棚橋:BOXには600社のクライアントがいます。すべての企業に全力投球をするのは時間的に難しいので、BOXでは代表とそこで働く方たちの力になりたいと思えるかどうかを基準に、密なお付き合いをするクライアントさんを決めています。ここまでにお話しした通り、村岡さんには熱量があり、SalesNowで働く人たちもいい人が多い。SalesNowは、ここで働けば候補者さんも幸せになれると確信を持てる企業のひとつです。
村岡:そういえば、Aさんへオファーレターを送る前に棚橋さんにもご相談させていただいたんですよね。
棚橋:そうでしたね。通常オファーレターは、会社が独自に作成するものです。村岡さんは、単なるエージェントである私に「この内容で思いが伝わるでしょうか?」とわざわざ確認の連絡を入れてくださいました。エージェントに対して強気な企業さんもいる中で、SalesNowさんはBOXを採用を加速するパートナーとして対等に向き合い、頼ってくれた。その気持ちがとても嬉しかったです。
——今のSalesNowで得られる成長の機会を教えてください。
村岡:SalesNowは累計調達額が5億円を突破し、これからまだまだ伸びていくフェーズです。そのフェーズのスタートアップにジョインできるのは、そう多くはない機会だと考えています。かつ、まさに、採用したばかりのCTO候補のメンバー直下で働ける点も、成長機会のひとつと捉えていただけるのではないでしょうか。
——そのほかに、SalesNowの魅力だと言えそうな点はありますか?
村岡:SalesNowには「現場がもっとも一次情報を持っており、正しい意思決定ができる」という共通認識があります。セールステックの会社の中には、セールス主導、マーケティング主導というところもありますが、SalesNowでは、開発サイド、ビジネスサイドが密に顔を合わせ、対等に意見交換をしながらプロダクトを作っています。プロダクト重視で、ちゃんといいものを作り、そのいいものをセールスが売る。そのマインドに共感していただける方は多いように思います。
——今後の展望を教えてください。
村岡:現在はセールスに特化したデータベースを展開していますが、他の職種にも使っていただける経済情報・企業情報を集めたデータベースを作る構想もあります。「データやテクノロジーを駆使し、働き方を変える」という軸は変わらず持ち続けていくので、その領域に興味のある方とお話ししてみたいと思っています。
SalesNowは「コト志向」をバリューのひとつに掲げています。やりたい、やりたくないに関わらず、事業成長に全力投球したいという方は、ぜひご連絡ください。
*
BOXは、あなたの人生を見据えた転職支援を行います
BOXでは、SalesNowへの転職相談を受け付けています。SalesNowの文化や制度、働き方など、長く続く関係を通して得たネットでは得られないリアルな情報をお伝えします。もちろんご相談に乗る中で、ほかの企業をご紹介することも可能です。多様なバックグラウンドを持つメンバーが、責任を持って全力で支援します。転職を検討している方は、ぜひご連絡ください。