【ステップ②】主張の構造化がカギ。転職活動を完走するために準備すべきこと
転職活動には、大きく分けて①転職の検討、②転職活動の準備、③書類作成、④応募・面接、⑤内定・入退社手続きという5つのステップがあります。
今回解説するのはステップ②、採用選考に進むための準備段階です。まずは転職活動の全体像を把握し、自己分析を始めることで転職活動のゴールをイメージしましょう。
転職活動の流れ
転職の検討
もし転職活動に踏み切れないなら、そもそも本当に現職を辞めるべきかどうかを検討します。自身で現職の不満ポイントを整理したり、信頼できる人やエージェントに相談したりして、転職活動を開始するか慎重に決断します。
自己分析
転職先で納得感を持って働くために、自己分析によって、やりたいことや大事にしたい価値観を洗い出しましょう。
面接対策のために、やむなく自己分析をする人がいるかもしれませんが、企業選定、応募書類の作成、内定承諾・辞退の選択など、転職活動中のさまざまな場面で自己分析が活きてきます。
仮に、企業の知名度やイメージだけで転職先を選ぼうとすると、入社後にミスマッチが起こる可能性があります。転職活動において自己分析は欠かせません。
企業選定・企業研究
自己分析が一段落し自身が譲れないポイントが見えてきたら、それを基準に応募する企業を選定します。
あくまで自己分析が先、企業選定や企業研究はその後です。企業の事業内容に自分が合わせにいくのではなく、自身のやりたい仕事を起点に考え、その仕事が企業で実現可能かを検討します。
転職軸が固まっていると、企業のどの側面を重点的に調べれば良いかが分かります。「前職の経験を活かしつつステップアップできる可能性が高い環境」「事業規模拡大に伴って人員を募集している企業」など、転職するうえで譲れないことを決定してから、企業選定や企業研究をスムーズに進めましょう。
書類作成・応募
企業の採用選考に進むために、下記の書類を企業に送る必要があります。
顔写真・学歴・職歴・志望動機などを記載する「履歴書」、経験した業務内容・培ったスキル・取引先・実績などを記載する「職務経歴書」を、応募する前に用意しましょう。
初めて転職活動をする人にとって、職務経歴書は馴染みがないかもしれませんが、基本的に応募先企業に合わせて1枚ずつ作成します。面接官が「自社で活躍するならこんな感じだろう」とイメージしやすい実績を中心に記載し、企業にとって今必要な人材であることをアピールします。
また応募書類を紙で郵送する場合は、宛名・連絡先・氏名・同封書類の一覧などを記載した「添え状」を同封します。
面接
中途採用選考において面接は1〜3回実施されます。面接対策として、退職理由や転職動機など、定番の質問を想定して回答を暗記しようとする人がいますが、それはベストな準備とは言えません。
面接を担当するのは、これまでに数え切れないほどの求職者と対峙してきたプロです。さまざまな角度の質問を投げかけ、求職者を多面的に知ろうとします。異なる角度・抽象度の質問に対応できるように自己理解を深めておきましょう。
加えて、一次面接には人事、二次面接には現場マネージャー、最終面接には社長や役員と、選考段階によって面接官が異なることがあります。それぞれの面接官が答えやすく、自身が気になる質問を準備するのもポイントです。
またほとんどの面接官は、事前に送付された履歴書と職務経歴書を見ながら質問を投げかけてきます。もし書類作成時から期間が空いて面接に臨む場合、心配な人は応募書類をスマートフォンで確認できるようにしたり、コピーを準備したりして、面接前に確認すると良いでしょう。
採用通知
最終面接後、1週間程度で採用・不採用通知のメールや電話が届きます。採用の場合、一般的には内定承諾書が送付されるため提出期限を必ず確認します。
もし第一志望ではない企業から採用通知が届いた場合は、「労働条件を確認したうえで判断したい」という旨を伝えて、内定承諾の返事を保留しましょう。
最終面接後にオファー面談を実施してもらったり、転職活動の目的や軸を振り返ったりして、どの企業に転職するかを決断します。
入退社手続き
転職先が決まったら、退職する意思を上司へ伝え、退職日や仕事の引き継ぎ内容などを相談します。
企業によっては、就業規則に「労働者は◯ヵ月前に退職を申し出なければならない」と記載されていることがあるため、それに則って退職手続きを開始しましょう。
退職日までに完了しておいた方が良いことは下記の通りです。
また入社時には、企業から下記の提出を求められるため、採用担当者に確認しつつ準備をしておきます。
BOXを利用した場合の転職活動の流れ
BOXを利用した場合、基本的には前述した通りに転職活動を進めていきますが、その際に下記のような内容のサポートをしています。
まずはエージェントと一緒に自己分析を行い、その結果を元にマッチング度が高いであろう求人を複数社提案します。
その後、紹介した企業に対して理解度が高いエージェントが、書類添削や面接対策を実施。転職後のアフターフォローまで万全の体制で伴走していきます。
自己分析のやり方
自己分析の目的は大きく分けて2つあります。自分の将来のために、自己理解を深めてキャリアプランを検討すること。選考を受ける企業のために、自分という商材を誰よりも理解して、正しく伝える準備をすること。
その目的が達成された状態になるために、ここからは自力で自己分析をする場合と、エージェントと組んで自己分析をする場合を紹介します。
自力で自己分析
たとえば自宅で手軽に自己分析をするなら、WEB上にある診断テストを利用してみるのがとっかかりとして良いでしょう。
経歴や、それに紐づくスキルなどを箇条書きにし、自身の強みを可視化していく方法もおすすめです。
また、広く知られているフレームワークを活用して、自己理解を深める方法もあります。
エージェントと自己分析
上記の方法を試してもピンとこない、自力で自己分析をするのは限界があると感じている人は、転職のプロであるエージェントを頼りましょう。
BOXでは、企業の採用担当者の方と接する機会が多いのですが、採用をお見送りする大半の理由のひとつとして挙げられるのが「面接時に言語化ができていないから」。言語化ができていないと、面接官に将来のありたい姿や自分の今できることが伝わりにくく、採用につながらなくなってしまいます。
そのため、求職者の方には自問自答を繰り返してもらい、感覚的ではなく論理的に自己理解を深めていただいています。
たとえば、「マネジメントができる環境へ転職する」という意思決定をした人がいるとします。「なぜそう思うのですか?」と聞かれたときに明確に応えられなければ、論理的な自己理解ができていない証拠です。
BOXでは、原体験→感情→思考→意思決定のサイクルが繰り返されて人の価値観や性格が形成されていくと考えており、まずは意思決定に至った背景を言語化することが自分を理解する近道だと考えています。
たとえば求職者の方に、現職で経験したこと(原体験)→それによってどんな気持ちになったか(感情)→外的・内的に何を変えたいと考えたか(思考)を書き出してもらい、それに対してエージェントがフィードバックをしたり、深堀りするための問いを投げかけたりする。
このような言語化を繰り返し、自身の主張を構造化するサポートを行っています。
転職軸・こだわりの見つけ方
転職軸とは、転職先を選ぶ際に譲りたくない条件のことです。
「現職の経験を活かしつつ新しい分野のクライアントを担当したい」「現職よりもキャリアパスの選択肢が多い環境へ移りたい」など、転職軸を固めておくと、応募する企業の選定や内定承諾のタイミングで迷うことがなくなります。
ここからは転職軸が定まっていない方へ、どのような設定方法があるのかを紹介します。
過去の自分の意思決定と比較する
進学先や就職先など、自分が過去にどんな基準で進路を選んだのかを振り返り、自身が大切にしていたことを思い出します。
たとえば、新卒で就職活動をしていたときの企業選びの軸が「年齢やキャリアを問わず裁量が大きくて、成長スピードが早そうな企業」だったとします。
もしその企業で自身の成長を感じ、さらなる飛躍をするため転職する場合は、過去の就活軸を参考にして現在の転職軸を検討していって良いでしょう。
一方で、個人の裁量が大きすぎて社内で学ぶ機会が少なかった場合、今回の転職では「個人で仕事をするのではなく同僚と密に連携できる環境」を転職軸にしたり、そもそも別の観点から転職軸を再検討するのがおすすめです。
現職を辞めたい理由に着目する
転職先を選ぶ際の基準が決められない場合、BOXでは現職を辞めたいと思った背景から、転職軸を決めることを推奨しています。
たとえば「ルーティンワークの日々を変えたい」という退職理由の場合、「新規事業を積極的に立ち上げている」「手を挙げたらやりたいことにチャレンジできる社風」「クライアント数が増加傾向にあり新しいクライアントに出会いやすい」など、退職理由から連想して“新たな挑戦”を転職軸に設定することができます。
また面接では退職理由について聞かれることもあります。何を感じて退職を考えるようになり、転職という意思決定をしたのか。事前に深堀りをしておくと、退職理由と転職軸が線でつながって説得力のある回答ができるようになります。
まとめ
今回は転職活動におけるステップ②として、転職活動を始める前にどんな準備をすると良いか解説しました。
こちらのマガジンでは、転職活動のスタートからゴールまでを5つのステップに分けて、丸ごと解説していきます。次回のnoteもお楽しみに!
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